2017年 ユベントスの選手を振り返る(MF編)

 

GK・DF編の続きになります。

 

 

 

13.サミ・ケディラ

特に大きな話題になることもなく、市場価値ランキングなどに載ることもないこの男がドイツ代表とユベントスのレギュラーに定着し続けることは私の七不思議の一つである。魅力を問われたら2列目からの飛び出し?先を見たポジショニング?確固たる意志をもって答えられないのは私の力不足なのかもしれないが、不覚を取った時の足の遅さや停滞気味の試合で薄れかかる存在は多少問題であると思う。なんにせよ昨年は「ガラスのケディラ」の異名を払拭する鉄人ぶりを見せてくれたため、中盤の人員不足に泣くことはなかった。

 

 

14.クラウディオ・マルキージオ

マルキージオについて客観的な評価を下すことは出来ない。とは言っても、実際昨年のマルキージオの出来は良くて、体のキレも取り戻して身軽に見えた。マルキージオがベンチを温める姿は心が痛むものの、4-2-3-1の2センターでピャニッチと並べるのは心許ないというアッレグリの判断も理解に難くない。おそらく4-3-3で1列目が機能しない限りマルキージオがスタメンに定着する未来はパラレルであり続けると思う。昨夏には移籍の噂を一蹴して我々の心の一部を掌に握っている男でもあるため、今年もまた疑いもなく応援をしていくであろう。

 

 

15.ステファノ・ストゥラーロ

何かと不器用さが目立つこの男は今季もスタメンに定着出来ていない。そのちょっとした不器用さや身体の強さから、最終ラインでもプレーできそうな匂いを漂わせていたため昨年は1試合右SBで起用されたが、結局アッレグリの軽い黒歴史で終わってしまった。闘う姿勢はまだまだ顕在であるため、ストゥラーロ本人のことを考えればもっと特徴を生かしてくれるクラブに移った方がキャリアアップに繋がるのではないかというのが私の正直な感想ではある。

 

 

16.ロドリゴ・ベンタンクール

やはりうちのフロントの眼鏡の精度は高いもんだなと思い知らされた。高齢化が進み、即戦力を補強しがちな昨今のユーベにとってこの選手は紛いもない未来である。ここ最近ジャンの補強の噂も絶えないが、インテンシティが高まり続ける現代フットボールで中盤から若返りを果たそうというのは至極筋の通った方針だと思う。もう少しチャレンジなパスを試みて欲しいという声も私内の各所から挙がってはいるが、若さに見合わぬ澄ましたボール捌きは欧州を見渡してもピカリと輝くものがある。

 

 

17.ブレーズ・マテュイディ

ユベントスにはフランス語を操る選手は多くない。にも関わらずW杯のシーズンに海外挑戦を選んでくれたことを感謝したい。シーズン序盤では中々ニューカマー達がチームに順応出来ずにいるのを横目に並々ならぬ適応能力を見せつけた。バカヨコやディアワラのように取り分け中盤での守備と走力に長ける「流行り」の選手ではあるが、マテュイディはそこに経験値が上乗せされており無駄なファールなどが少ない印象である。現在ユーベは4-2-3-1か4-3-3かの岐路に立たされているが、どちらにせよこの男とピャニッチの胸は大いに借りなくてはならないだろう。チームの為に走る労を一切惜しまない努力家なのだから、得点を決めた後くらいは思う存分舞わせてやるよう他の選手にはお願いしたい。

 

 

18.ミラレム・ピャニッチ

ピャニッチの家には天使が住んでいる。そう、みなさんご存知エディン君である。お父さんとボールを蹴る姿がよく似ており父子愛が伺える。もしエディン君が学校でいじめられるようなことがあれば、私はすっ飛んで行っていじめっ子達を引っぱたいてやる覚悟でいる。肝心のミラレムの方のピャニッチは私の前半戦MVPだ。いつまでもピルロの影をピャニッチに求めるのは私の悪い癖だという自覚はあるのだが、この男のタッチダウンパスには確かに指揮者の風格とワインの香りがする。今シーズンは完全にユーベを我が物にし、ローマ時代とは異なる下がり目の仕事も板についた。ピルロが引退してしまった痛みもピャニッチのおかげで多少和らいでいる。

 

 

 

以上、MF編でした。