2017年 ユベントスの選手を振り返る(FW編)

 

GK・DF編、MF編と続きFW編です。

 

 

 

19.マルコ・ピアツァ

ユベントスの選手評を書いている最中にシャルケへの移籍が決まってしまった。昨年は怪我に泣かされて試合に出場するには至らなかったものの、少しの才能と努力家であるという人柄から、チームからもサポーターからもお荷物扱いをされることはなかった。チームから努力家が去るのは悲しいが、買い取りオプションを取り付けなかったフロントの判断を信じて、ユーベに帰ってくる日を心待ちにしている。

 

 

20.フアン・クアドラード

クアドラード程評価が難しい選手もそういない。でもそれが武器なのだ。相手からすると冴えない日のクアドラードは放っておいても自爆して消えていくが、「当たり」の日には2、3人でも抑えるのがやっとのこともある。この男のこうした意味不明さが相手の準備してきた対策や戦術に少しづつ歪みを起こしてゆくのである。今季は途中出場が多くなってはいるが、いわゆるジョーカー役の選手というのはそういった割りを食わなくてはならないものであるため、腐らずにチームを支えて欲しい。CLの決勝でレッドを食らった件について、私は全面的にクアドラードを支持するので異論のある方とは膝を突き合わせて話したいと思う。

 

 

21.ドウグラス・コスタ

よくバイエルンの試合を見ていて、こんな選手がユーベに来てくれたらなぁと思ったものだった。やはり夢というのは願ってみるものなんだな。昨シーズンの終盤はほぼ前線の選手を固定して使っていたために、あらゆるチームに対策された。そんな食傷気味の前線に様々な選択肢とオプションをもたらしてくれるこの選手の加入は本当に大きかったと感じている。得点やアシストといった数字も少しずつ積み上げているが、なによりディバラの影武者的役割をこなせるという点でユベンティーノ精神安定剤となっていることも留意しておかなくてはならない。

 

22.ゴンサロ・イグアイン

この男について語るのはもう疲れた。触れにくい話題ではあるが、ユベンティーノの中には彼に対して攻撃的な意見を持っている者も一定数いる。加入に際して支払った金額と浮き沈みあるコンディションを考えれば理解はできるのだが、いわゆる悪口ばかりを吐くのは一体誰のメリットになっているのだろうか?と感じることがままある。昨シーズンは下馬評通り大舞台で萎縮してしまうことが多く、これはもう皮肉でも印象でもなく事実として存在してしまっているように思う。ただ一つ、この男が来てからは中堅以下のクラブと対峙した時の安定感は抜群に向上した。今シーズンはややスローペースの得点間隔であるものの、シーズン終わりに30近く行っていればそれで良しとしたい。

 

23.フェデリコ・ベルナルデスキ

基本私は新加入選手のユニフォームは買わない。けれどもこの選手と同じものを着れば自分もかっこよくなれるのではないかという錯覚からユニフォームを購入してしまった。それだけこの選手の笑顔には破壊力があるということである。加入当初はチームに馴染むのになかなか苦しみ、渋滞や事故を起こすことは多々あった。しかし試合を追うごとに改善は見せ、起用時間が増えたことから、アッレグリもそれなりの評価をしているということはわかる。気負い過ぎて力んでしまう場面は今でも見られるが、それだけ熱があると思えば許せてしまう。イケメンとはそうゆう生き物なのだ。ユーベの前線は急速に南米化しており、個人的にはそれに歯止めをかける意味でも非常に期待している。

 

24.マリオ・マンジュキッチ

これはもう語り尽くされたことであるため、あまり事細かに書くつもりはないが、この男がサイドに回る事を受け入れたのはユーベにとっても、フットボール界にとっても大変意義のある事だった。ティフォージを統率する姿は最早王の貫禄をも醸し出しており、どこかの自称ライオンと対等に渡り合える唯一の選手だと私は思っている。加入当初と比較すると昨年は頭に血がのぼることも少なくなり、他のチームのCBからすると益々扱いにくい選手に成長している。この男を愛する理由に得点など必要ではない。まだまだユーベには必要な選手だ。

 

25.パウロ・ディバラ

今シーズンから10番を背負うことになり、ユーベの主力として盤石たる地位を築き上げた。レアルとの決勝で完璧に封じられたのが余程悔しかったのか、シーズン序盤から顔つきがすでにこれまでとは違うものだった。序盤は圧倒的なペースで得点を量産したが、シーズン折り返しを待たず停滞してしまった。とはいえフィニッシャーが変わっただけで、チームの総合的な得点力はそれ程落ちていないため、個人的にあまり危惧することだとは思わない。月並みの意見だが、ディバラがいる時といない時ではチームの天気がまるで違う。多少泣き虫であることはご愛嬌だが、シーズン終わりにこの男が嬉し涙を流しているところを見れたら、私としてもこれほど嬉しいことはない。

 

 

以上、ユベントスの選手評でした。シーズンが終わった頃に、良い景色が見れるよう応援していきましょう。